本文へ進む
営業のつまづきを解決する
ホーム › 提案・クロージング

深耕営業の進め方と売上拡大手順|新規開拓との違い

深耕営業の進め方と売上拡大手順|新規開拓との違いのイメージ写真

公開: 2026-11-02 / 更新: 2026-11-02 ・ 読了 約4分

この記事の要点

  • 深耕営業は新規獲得と比べコストを抑えやすくLTV最大化に直結する
  • 組織図の把握と多部門アプローチにより担当者異動による失注を防ぐ
  • 窓口への御用聞きを脱し経営課題に基づき上位プランや別商材を提案する

深耕営業とは、既存顧客との関係性を深めながら取引規模の拡大や継続利用を促す営業手法です。新規開拓に比べて獲得コストを抑えやすく、顧客の潜在課題を特定してアップセルやクロスセルにつなげることで、LTV(顧客生涯価値)を最大化できます。

既存顧客へのフォローが単なる御用聞きや挨拶回りで止まってしまい、売上に結びついていない組織は少なくありません。効率的に収益基盤を強化するための具体的な進め方と、商談化に向けた実践手順を解説します。

深耕営業が重要視される理由と新規開拓との違い

深耕営業と新規開拓営業では、投じるコストと目的が大きく異なります。既存顧客はすでに自社への信頼関係と取引実績があるため、ゼロから認知を獲得する新規アプローチよりも商談化までの工数が少なくなります。

新規顧客の獲得にかかるコストは、既存顧客を維持するコストの約5倍かかるとされる原則(1:5の法則)が知られています。さらに、顧客離れを5%改善すれば利益が25%から85%程度改善するという指標もあり、事業の安定成長には既存深耕が欠かせません。

新規開拓が「顧客数の最大化」を目的とするのに対し、深耕営業は「顧客単価と継続期間の最大化」を目的とします。少子高齢化や市場の成熟化に伴い、限られたパイの中で利益を確保するためにも、既存契約の枠を越えた提案活動が求められています。事業の持続性を高める施策については、中小企業の支援施策を公開している中小企業庁の経営指針でも重要性が示されています。

深耕営業を進める5つの基本手順

行き当たりばったりの訪問を避け、計画的に売上を作るための実践手順は次のとおりです。

1. 顧客データの整理とポテンシャルの可視化

まず既存顧客を売上規模や取引実績だけで分類するのではなく、「自社サービスを追加導入できる余地がどれだけあるか」という顧客ポテンシャルで評価します。従業員数、拠点数、関連会社の有無、年間予算の規模などを調査し、拡大余地の大きいアカウントを特定します。

2. 組織構造と意思決定ルートの把握

現在の窓口担当者だけでなく、決済権を持つ役員、他部門のキーマンを洗い出します。組織図を作成し、各部門のミッションや現在の力関係を整理することで、提案を持ち込むべき適切な部署を見極めます。

3. 利用状況と未充足ニーズのヒアリング

導入済みサービスの利用頻度や活用度合いを点検します。契約更新の時期や現状の運用で不満に感じている点を聞き取るだけでなく、企業全体として取り組んでいる中期経営計画や年度重点施策に目を向け、未解決の経営課題を探ります。

4. アップセル・クロスセルに向けた提案設計

顕在化した課題に対し、現在より上位のプランを提案する「アップセル」か、別部門や別用途への新サービス提供を狙う「クロスセル」かを設計します。単なる商品紹介ではなく、「他社ではこのような課題をこの組み合わせで解決している」という投資対効果を提示します。

5. 定期接点の仕組み化とKPI管理

商談がない期間でも接点が途切れないよう、四半期に1度の定期レビュー(QBR)や役立ち情報の提供をルール化します。訪問頻度、接触部署数、紹介案件数などの先行指標を設定し、活動を定量的に管理します。

付箋を並べて仕事の手順を整理する手元
付箋を並べて仕事の手順を整理する手元 /イメージ画像

会いたい決裁者に、FacebookとLinkedInのDMで直接届ける営業支援です。1アカウント月額5.5万円(税込)。資料はメールアドレスだけで受け取れます。

資料を受け取る →

深耕営業で陥りがちな3つの失敗例

既存顧客を対象とする深耕営業では、関係性ができているがゆえの落とし穴が存在します。

1. 「御用聞き」に終始して価格競争に巻き込まれる

「最近何かお困りごとはありませんか」という曖昧なアプローチを繰り返すと、顧客側も簡単な消耗品の追加や値下げ要請しか相談しなくなります。顧客自身が気づいていない構造的な課題を指摘できなければ、他社への乗り換えリスクが高まります。

2. 単一の窓口担当者に依存する

現場の担当者1名とだけ関係を深めていると、その担当者の異動や退職によって取引が急減・失注するケースがあります。担当部門だけでなく、情報システム部門や経営企画部門など、多面的なパイプを平時から構築しておく必要があります。

3. 過剰なサービス対応で利益率が低下する

関係維持を優先するあまり、契約範囲外の無償作業や過度なカスタマイズを引き受けてしまう失敗です。現場の工数が圧迫され、結果として追加提案を検討するリソースが失われます。サービス提供範囲の線引きを明確にしておくことが重要です。

深耕営業を成功させる組織づくりのポイント

深耕営業を属人化させずに成果を出し続けるには、営業組織の体制と評価制度の整備が欠かせません。

専任組織(アカウントエグゼクティブ)の設置

新規開拓と既存深耕を同じ営業担当者が兼務すると、緊急性の高い問い合わせ対応や目先の新規商談に時間が奪われがちです。年間取引額が大きい重要顧客(キーアカウント)に対しては、深耕専門の担当者を配置し、中長期の戦略提案に専念できる環境を整えます。

評価制度の多角化

売上金額だけでなく、アップセル・クロスセルの発生率、接触部門数、契約継続率などを評価基準に組み込みます。目先の短期的な売上だけでなく、アカウント深耕につながる行動プロセスを適切に評価することが組織の定着につながります。

国内産業の取引動向や生産性向上の取り組みについては、経済産業省が公開する産業政策資料なども参考になります。自社の営業戦略に合わせて、体系的な既存アプローチを確立してください。

よくある質問

Q. 深耕営業とルート営業は何が違いますか?
A. ルート営業は既存顧客を定期訪問して従来通りの注文維持・補充を目的とする傾向が強いのに対し、深耕営業は顧客の組織課題を深掘りして新部門への展開や上位商材の導入など取引拡大を能動的に狙う点が異なります。
Q. 深耕営業でアプローチすべき顧客の選定基準は?
A. 現時点の取引高だけでなく、事業規模、拠点数、従業員数、未導入商材の適合性から算出した「取引拡大余地(ポテンシャル)」の高さを基準に優先順位を決定します。
Q. 担当窓口から他部門のキーマンに繋げてもらうコツは?
A. 「他社で貴社と同じ課題を抱える情報システム部様を支援した事例」など、相手部門にとって有益な情報提供や社内勉強会の開催を提案し、窓口担当者の社内評価が上がる動機を作ることが有効です。
この記事をシェア: X(Twitter) LINE
この記事を紹介・引用するときは

下のリンクをそのまま貼ってお使いください。文章を引用されるときは、出典としてこのページへのリンクをお願いします。

あわせて読みたい

関連データ

東京都足立区の新設法人一覧|321社
東京都中央区の新設法人一覧|1610社
プラスアローズ株式会社(長野県岡谷市)|2026年10月15日に法人番号が指定された新しい会社
東京都豊島区の新設法人一覧|508社
→ 地域をすべて見る

会いたい決裁者に、FacebookとLinkedInのDMで直接届ける営業支援です。1アカウント月額5.5万円(税込)。資料はメールアドレスだけで受け取れます。

資料を受け取る →

東京ビッグサイト・幕張メッセで開かれる商談向けの展示会を、分野ごとに一覧にしました。登録は無料です。
法人展示会カレンダーを見る →